移住の決め手となるような子育て支援を。

津別町に移住して3年目になるという長政さん。彼女は現在、津別町の認定こども園こどもの杜で園長先生を勤めています。以前は同じオホーツク地方の網走市に住んでおり、近隣の町からの移住。旦那様は今も網走市にお住いのため、週末などは網走に戻られる生活をしているそう。同じオホーツク内で移住して感じたこと、こども園での取り組みについてお話をお聞きしました。

ー津別町に移住して3年目になるそうですが、以前は網走市に住まれていたんですよね。

はい、そうです。網走市内のこども園に勤めており、2014年に退職、その後津別町からオファーがあり、2015年に移住を伴って現職に着きました。

愛林の町にふさわしく、木材をふんだんに使った開放的な空間

頻繁に来ていた町だったので馴染みやすかった

ー現在も旦那様が網走市に残られてるということですが、移住をされたのはなぜでしたか?

網走市からは通えない距離ではなかったのですが、園長という職責のため何かあった時すぐに対応できるように、着任に合わせて移住しました。ただ、移住の前から津別町はよく訪れていて、開成地区の紅葉がとても好きでした。秋になると夫と「今年も行かなきゃね」と毎年ドライブに行って、西洋軒(※)で食事をして帰ってくるという休日を過ごしていました。頻繁に来ていた町だったのでとても馴染みやすかったのはありますね。

※西洋軒・・・津別町内にある、約100年続く飲食店。地域内外にファンを持ち、品切れでお店を閉めることもしばしば。豚丼・ラーメンなど人気メニュー多数。

子育て支援が手厚い町

ー津別の認定こども園はどんな特徴がありますか?

津別町は子育て支援がとても手厚いです。二人目・三人目のお子さんへの保育料の補助や、中学校卒業までの医療費、こども園の給食はいずれも無料です。木のぬくもりを感じることができる建物や裸足の教育をしているため、五感を刺激する自然を活かして、広々のびのびお子様をお預かりできるのがいいところだと思っていますね。

ー1年に複数回森の遠足を実施しているんですよね。

はい、津別町の上里というエリアにある森林セラピー基地の「ノンノの森」という場所で森林セラピーガイドについていただき遠足を実施しています。町外からも評価が高いガイドさんが担当してくれるので、四季折々の変化や子どもの好奇心を刺激するプログラムでとても人気です。

森の遠足の様子

ー子育て支援センターについてもお聞かせください。

こども園には子育て支援センターが併設しています。一人で悩みを抱えている親御さんや転勤族で周りにお友達がいない環境の方もいたりするので、そういった方のケアやリフレッシュになればいいなと思っています。親御さんだけに向けたイベントがあったり、親御さんが地域に溶け込むきっかけにもなっていると聞きます。専門医が訪問してくれるので、発達についても相談・アドバイスを受けることができます。里帰りの際などにも利用できるので、自由に来て遊んでいただいて、相談していただければと思います。私たちも産まれてすぐの時からお子様と接することができるので、就学まで継続的に育ちを見ていくことができます。

ーこども園の職場環境はいかがですか?

働きやすい職場をつくれるように心がけています。保育士という職業は昼休みも十分に取れない、朝早く夜遅いなど厳しい勤務環境の場合が多いです。ここではできるだけそういったことを無くすようにしていっているのと、有給休暇も相談して取れるような体制にしています。幸い離職率も低く、産休などで一度職場を離れた人が復帰してくれたりするケースが多いです。

「このこども園に行けてよかった」と思っていただけるように

ー津別町はどんなお子様が多いですか?

とても子どもらしいというのが率直な感想です。安全な環境なので、町を歩いていてもちゃんと挨拶をしてくれたり、素直でいいお子様が多いですね。これはきっと地域性なんだろうなと思います。津別の未来が詰まっている場所だと思うので、「津別に一つしかないからしょうがなくここに行く」というのではなく、「このこども園に行けてよかったな」と思っていただきたいです。移住も最後の決め手は子育てであることが多いと思うので、子育て世代の親御さんを応援できるように、役場とタッグを組んで頑張っていきたいですね。

ー最後に津別町の好きなところを教えてください。

21世紀の森の桜がとても綺麗です。国道から見える双子の桜が有名だとは思うのですが、ちょっと中に入って行くととても綺麗な桜並木があります。先ほど申し上げた開成の紅葉もそうですが、一年を通して様々な景観を楽しめるところが好きです。

21世紀の森の桜

長政 久仁子(ながまさ くにこ)さん

1960年網走市生まれ。
認定こども園こどもの杜・園長。2014年、網走市内のこども園を退職。
2015年に津別町に移住、現職。旦那様、娘さんにお孫さんもいるそう。
趣味は読書と食べ歩き。

【取材・編集】 中西 拓郎(なかにし たくろう)
1988年生まれ、北海道北見市出身。防衛省入省後、2012年まで千葉県で過ごし、Uターン。
2015年『Magazine 1988』を創刊。2017年より、一般社団法人オホーツク・テロワール理事、『HARU』編集長に就任。
ローカルメディアの運営他、企画・編集・PR・ブランディングなど、道東をつなぐ・つくる・つたえる仕事を手がけている。
Twitter:@takurou1988
WEB:http://1988web.com/

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