働くと暮らしが一体になる

金一さんは津別町木樋地区で農業を営む5代目。木樋の集落では5軒の農家さんが集まって法人を立ち上げられています。金一さんはJAつべつ青年部で部長(※)も勤めている忙しい合間を縫って子供たちと触れ合う時間が大変に嬉しいと語る子煩悩パパ!津別町の農業の話や、子育ての話をお聞きしました。

※取材時点。平成31年2月14日任期満了に伴い退任。

ー金一さん、畑ではどんな作物を作られているのですか?

小麦やビート、馬鈴薯に玉ねぎに小豆などを作っています。家業の傍らJAつべつ青年部の部長をやっていて、農協の事業や出店のお手伝いをしていたりします。節分には鬼になって、小学校に行ったり様々なことをやっています(笑)人口が少ないので動ける人は限られる。青年部では「ぼくらがやらなきゃ誰がやる」というのを強く思っていますね。

この日は節分のお手伝い。家業や農協でのお仕事の他にこういった町の行事も積極的に参加している。

町外から移住して農業に従事することもできる

ー金一さんが津別に戻られたのはいつ頃ですか?

私は約10年前に津別に戻りました。高校から隣街の北見市に通っていて、大学も札幌に進学しました。卒業後は建築関係の会社に勤めて、31歳の時にUターンを決めました。妻は中標津町出身なのですが、札幌時代に出会い、一緒に津別に移住してきました。人口が少ないため、津別は若い人がいないイメージになってしまいそうですが、実際は頑張っている人が多くて刺激になって楽しいです。

ー津別町の農業についても教えていただけますか?

津別は今つべつ和牛やオーガニック牛乳、唐辛子など有名になっているアイテムが多いです。こだわりを持ってつくっている人もいるし、六次産業化なども積極的におこなっているので、ドカンとくれば盛り上がるんじゃないでしょうか。これから人手はどんどん減っていくので、スマート農業なんてことも言われていますが、津別町全体の農地の大きさは変わらないので協力しあって維持していければいいなと思っています。家族経営だけじゃなく法人でやっているところもあって、雇用も増えている。町外から移住して農業に従事するということも可能になってきました。

町外の人でもすぐに馴染める地域性

ー奥様の和美さんにもお聞きしたいのですが、地縁がなかった町に移住してきてどのようなことを感じましたか?

私は津別町から車で約2時間くらいの距離にある中標津町というところの出身です。札幌市で知り合った私たちなんですが、もし札幌に住んでいたとしたら、子育ては難しかったかもしれません。今は家の前の畑が職場だったりするので、働いている様子を見せれたり、外にいて土に触れ合うことを好きになってくれていたりします。今日も子どものスキーの行事があったんですが、家の近くにスキー場もあって、夫も忙しい中ですがこうして連れて行ってくれるのがありがたいです。あとは引っ越してきた当初は周りに知り合いもいなく、地方のイメージはコミュニティがすでに出来上がっていて、入りづらいのかなと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。こども園の子ども繋がりやJAの女性部の集まりなどもあり、すぐに溶け込むことができましたね。声をかけてもらえる機会もたくさんあって、町の人がみんなウェルカムで入りやすいと私以外のお母さんもよく言っています。

この日もお子様のスキー行事終わりにインタビューを受けていただきました。

「津別っておもしろいことやってるよね」と言われたい

ー地元出身じゃない人にそう言ってもらえるのは嬉しいですね。

そうですね、自分は地元なのでよくわからないですが、そうやって町外の人が「津別いいね」って言ってくれるのはとても嬉しいです。妻なんて、ぼくより溶け込んでいるかもしれませんね(笑)転勤族の人とかも町に馴染んでいる姿を見ると、ああ、よかったなと思います。「津別っておもしろいことやってるよね」ともっと言われるように頑張っていきたいと思います。

ー最後に金一さんが津別町で好きなところを教えていただけますか?

私は家の周りが一番好きですね。もともとアウトドアが好きで札幌時代なんかもよくキャンプに行っていたくらいでした。自然が好きでのびのびできるところが子どもを育てる環境としてとてもいいですね。近くで子どもを見ていられるし、自分の働いてる姿も見せることができます。働いているのと暮らしが一体になっている感覚を持っています。

金一 善紀(かねいち よしき)さん

1979年津別町生まれ。
有限会社 木樋桃源ファーム、JAつべつ青年部・部長。
大学進学で津別町を離れ、卒業後建築関係の会社に従事。31歳の時にUターン。
仕事の傍ら、青年部の部長も勤め、休日は家族サービスも、子煩悩な二児の父。
趣味はアウトドアとのこと。

【取材・編集】 中西 拓郎(なかにし たくろう)
1988年生まれ、北海道北見市出身。防衛省入省後、2012年まで千葉県で過ごし、Uターン。
2015年『Magazine 1988』を創刊。2017年より、一般社団法人オホーツク・テロワール理事、『HARU』編集長に就任。
ローカルメディアの運営他、企画・編集・PR・ブランディングなど、道東をつなぐ・つくる・つたえる仕事を手がけている。
Twitter:@takurou1988
WEB:http://1988web.com/

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