森を つなぐ
林業の仕事に就き、津別へ移住した菊池資英さん。昨年30歳の若さで、会社の代表を受け継ぎました。会社を次の世代へつなげていく。菊池さんの奮闘を取材します。
中学生のころから、森の仕事に憧れて。
林業に関心をもったきっかけはなんですか?
一番のきっかけは本でした。C.W.ニコルさんという方の本で、その方が日本で家を構えて 山の中で生活しているっていうエッセイだったんですけど。読んだときに、そういった自然の中の生活に憧れを持って。それから森に携わる仕事にずっと興味がありました。
*C.W.ニコル イギリスのウェールズ出身で日本国籍を取得した作家・環境保護活動家・探検家。
長野の里山を「アファンの森」と名付け、森の再生活動を実践した。
最初は正直、林業は自分に合わないんじゃないかって。
林業の仕事に就かれたのは?
企業説明会で北野産業と出会って、体験に呼んでもらったんです。そこで実際 クワで苗木を植える作業をやってみて、自分が思っていた以上に林業は厳しい。体力的な面で自分には難しいんじゃないかと、その時には考えてしまったんですよね。
そう思って、就職活動を続けたんですけどうまくいかなくて。それで、やっぱり ずっと以前から自然の中で働くっていうことに興味があったので、もう腹をくくって林業でいこうと決めました。ちょうど林業の研修会があったので、そこで必要な資格を一通り取得して。そして1年後にもう一度企業説明会へ行ったら、2年連続 北野産業が参加していたんです。
本当に気の長い仕事。
季節ごとのお仕事の流れを教えてください。
造林は、春 地ごしらえといって木を植えるところをきれいにする作業が始まります。そこに苗木の植え付けをしていきまして。それが終わると 下草を刈る、草刈りなんですけど。夏場にかけて草が伸びてきますんで、苗木が隠れてしまわないように。そして秋も植林があるのでその準備が始まります。
冬場になると除伐。ある程度育って11年ぐらいですかね。そのまま育つと窮屈になるので、間引きというか、本数を減らして育つ空間を作る。あとは枝落とし、枝打ちっていう作業もあるんですけど、下の根元の方は光が当たらなくて枯れていってしまうので、そういった枝を落とすことで根元がすっきりして風通しがよくなる。
材木になるまでは遠い年月。私が入って9年目になるので、あと2年ぐらいしたら私が初めて植えたところが除伐になります。本当に気の長い仕事ですね。
いい森をつくるために必要な 地道な作業。
実際に現場で作業していると、ほんとに日々の仕事に精一杯ですけども。いい森をつくるためには、こういった地道な作業をしていかなければならないというのを感じます。
引き継ぎ、つなげていく森の仕事。
会社を受け継がれたのは?
会長も高齢になって これからどうしていくのかっていう時に、会長から私に継いでもらうという話を受けて。そう言ってもらえるんだったら、自分がやるしかない。引き継いで、この会社をつなげていこうと。今まで会長がやってきたことを全部受け継いで、やっていけるようになるのが第一の目標。まだまだ会長に手伝ってもらっていることもありますので、まずはそこをなんとか自分でやっていけるように。
一番は人に恵まれたこと。
この仕事で良かったと思うことを教えてください。
一番良かったと思っているのは、人に恵まれたことです。皆さん本当にいい方で、離れたところから来た林業の「り」の字も知らないような私に色々教えてくださって。代表を受け継いでも まだ経験が浅いですし、分からないこともあるので。そこは教えてもらいながら、現場が円滑にまわるように進めていきたいです。
菊池 資英(きくち もとひで)さん
1989年 小樽出身。酪農学園大学 環境システム学部卒業後、有限会社 北野産業に就職。趣味はサイクリングで、遠出する時は50kmぐらい離れた場所へ。遠くへ行く達成感も醍醐味の一つ。津別のおすすめは津別峠の展望台だそうです。
有限会社 北野産業
北海道網走郡津別町字幸町61番地
TEL・FAX 0152-76-2096
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